ケベックでの引っ越し(都会・都会近郊ではない地方・遠隔地の場合)
こんにちは。おひさしぶりです。
今回は、ケベックでの引っ越しについてお話ししたいと思います。
ケベックでは引っ越しは7月1日に行わることが多いです。賃貸契約が7月1日(前後)に結ばれることが多く、それ以外の日付での引っ越しは比較的少ないといえます。とはいえ、私は何度か引っ越していますが、いつも、7月1日(前後)ではない日付での引っ越しでした。(覚えている限り、一回目は8月、二回目も8月、三回目は6月、四回目は10月、五回目は4月だったと思います。)
7月1日の引っ越しというのは、1975年くらいからのようです。ウィキペディアからの情報です( https://fr.wikipedia.org/wiki/Jour_du_d%C3%A9m%C3%A9nagement )。それまでは、5月1日だったようなのですが、それでは学校の年度末前の引っ越しになってしまうなどの問題があったようで、1974年に、5月1日という決まりをなくし、その年の賃貸契約の終わりを1975年の6月30日にしたところから、その翌日の7月1日が新しい契約の開始日として考えられるようになったようです。ちなみに、1974年当時のケベック(州)は自由党政権で、自由党はカナダ連邦制に賛成の立場なのに、7月1日の「カナダの日」を引っ越しの日にしてしまうとは、ちょっとおもしろいと思いました。7月1日の「カナダの日」に暴動などを起こさせないようにする狙いがあったのかもしれませんが…
ちなみに学校は、6月24日(サン=ジャン=バチストの日(洗礼者ヨハネの祝日)、ケベックではfête nationale フェット・ナシオナル、州民の祝日または住民の祝日)前に終わるので、7月1日というのは、引っ越しには都合がよかったようです。カナダでは7月1日はカナダの日で、祝日なので、会社などがお休みのことが多く、引っ越しに都合がよいと、私は思います。
https://www.jobboom.com/carriere/votre-employeur-doit-il-vous-accommoder-pour-votre-demenagement/
さて、本題に入りますね。
ケベックの地方・遠隔地での引っ越しについて、5つほどテーマを設けて、話を進めたいと思います。
- 住むところを見つけること
- 引っ越し方法
- 引っ越し手続き
- 引っ越し前
- 引っ越し後
- 住むところを見つける
- 購入か賃貸か
- アパート、コンドミニアム(マンション)、一軒家、地下、デュプレックス、トリプレックス、テラスハウス…
- 子ども、動物…(賃貸の場合)
- どうやって見つけるか
- 賃貸か購入か
地方・遠隔地では、手ごろな価格・適当な条件の賃貸物件が少なく、家の値段が高くはないので、購入する羽目になることが多いようです。賃貸物件が少ない理由はわかりませんが、「借主が家の手入れをしないことが多いので、売ってしまうほうが気が楽だ」と知り合いが言うのを聞いたことがあります。「たしかに、そうだな」と思います。また、そこから、家賃が高いのも、うなずけます。家を貸したら、めちゃめちゃに汚されて、元に戻すのにお金と時間がかかったなどという話も聞きます。そういう実話をもとにしたテレビ番組すらありました。Proprio en otage という番組です。
https://ici.tou.tv/proprio-en-otage
- アパート、コンドミニアム(マンション)、一軒家、地下、デュプレックス、トリプレックス、テラスハウス…
住む場所のスタイルですが、地方・遠隔地では、あまり選択肢がない可能性があります。家の数が少ないので、「アパート・賃貸マンションでも借りようか」と思っても、そもそも適当なアパート・マンションがないということがあるのです。
一軒家は、貸し家というより、売り家のことが多いかもしれません。借りるよりも買ったほうが気分的に楽ということも、場合によっては、あるようです。
また、シブガモでは、アパート・マンションはありますが、そこに住むというのは、「シブガモに長く住む予定がない・シブガモで長く働くつもりがない」という感じがしました。実際、シブガモで、私たちが住宅を購入した時、周囲の目がはっきりと変わったのを覚えています。(住宅ローンの支払額は、家賃とほぼ同額、もしくはそれより低かったように思います。)
一軒家の地下などは、都会ではありがちですが、田舎では、数少ないかもしれません。一軒家の地下だけを借りて住むというのは、周囲の話・印象を聞いてから決めたほうがいいかもしれません。
デュプレックス、トリプレックス、テラスハウスのようなものは、地方の場合、ある場合もあります。しかし、住む前にどのような人が近所に住んでいるのか、確認したほうがいいかもしれません。
- 子供、動物…(賃貸の場合)
子どもがいることを理由に家を貸すことを断られることはありませんが、「子供のいるひとたちに貸すには、家が狭すぎる」という理由で、貸すのを家主が躊躇することはあるようです。
動物については、小動物については、家主とのやり取りが大事だと思います。中型・大型の動物、問題を起こす恐れのある動物(鳴き声がうるさいなど)などについても、家主とのやり取りが大事だと思いますが、家主側の気持ちに立って考えてみるといいと思います。
タバコなどについても、家主ときちんと確認を取っておいたほうがいいと思います。禁煙という家主が多いと思いますので…
- どうやって見つけるか
「どうやって見つけるか」という問題は、「どうして、その時期に、その地に引っ越すことになったのか」ということを考えてみたほうがいいと思います。地方や遠隔地に引っ越す場合、多くは、「仕事の都合」・「家族に呼ばれて」ではないか、と思います。
ですので、仕事の都合の場合は、仕事関係者・関連者を通じて、探すと楽かと思います。仕事関係者・関連者に賃貸物件はないか、頼んでみる、たとえば、前任者の住んでいた場所はどうか、尋ねてみる、などです。仕事関係者なら、給料の額の見当も付くので、給料相応の賃貸物件・売買物件を探してくれることが多いようです。仕事関係者(前任者・同僚・上司)・関連者(得意先など)が全く助けてくれないというのは、あまり、聞いたことがありません。
もし、賃貸物件を探していて、賃貸物件が見つからない場合、引っ越し先の不動産業者に連絡を取ってみるのもいいと思います。というのも、「家が売れない場合、少しの間なら、家を貸してもいい」という売主が結構いるからです。この場合、家主が、「家が売れたから、よそに引っ越してもらいたい」と言ってきたら、出ていかなくてはなりません。
「家族に呼ばれた場合」は、とりあえず、家族・親戚関係に頼ってみたほうがいいように思います。それで見つからない場合は、やはり、不動産業者でしょうか。不動産業者に、引っ越しのいきさつを伝えれば、いろいろ探してくれるのではないかと思います。
なにはともあれ、家探しは、コミュニケーション能力を問われると思います。とくに、賃貸物件を探すときには、「この人は大丈夫・この人は家を大事にしてくれる・この人は家賃をきちんと払ってくれる・この人は約束を守ってくれる」という安心感を家主にもたせられるようになるといいのではないかと思います。
上の文章(どうやって見つけるか)の中に、「知り合いに頼む」というのは、入れませんでした。私自身の経験で言いますと、単なる知り合い・友人は、この手の頼まれごとは避けるような気がします。仕事上の関係などがあると、手伝わざるを得ないような感じがするのでしょうか、けっこう、いろいろ手伝ってくれると思います。この辺りは、日本とは少し違うでしょうか、それとも同じような感じでしょうか。
- 引っ越し方法
- 誰が準備し、支払うか (自分が準備し、自分が支払う・自分が準備し、誰かが支払う・誰かが準備し、誰かが支払う)
引っ越し方法については、「どうして、その時期に、そこに引っ越すのか」ということを考えてみれば、いいかと思います。もし、仕事の都合なら、雇用主がいるわけなので、自分で準備し、自分で引っ越しをしても、雇用主が後で支払いを負担することもあるかと思います。もしくは、引っ越しの準備から、雇用主が負担するようなこともあるかもしれません。家族に呼ばれた場合は、自分で準備し、自分で引っ越しをしなくてはならないかもしれません。
自分たちで準備をして、引っ越す場合、トラックなどを借りることがあると思います。また、ホテルに一泊して、新しい土地に到着することもあるかと思います。予算をきちんと組んだほうがいいと思います。
なにはともあれ、自分で引っ越した場合も、業者や雇用主がかかわった場合も、のちのちのために、領収書などを取っておいたほうがいいかもしれません。
引っ越し業者に頼む場合、見積もりは重要です。遠隔地に引っ越す場合、一日で引っ越しが済むとは限らないので、そういうことはしっかりと確認しておくとよいでしょう。また、実際に引っ越しが済んだら、お礼のチップは忘れずに。この辺りは日本でも同じではないかと思います。
引っ越し業者は、電話などで、直接、話をしたほうがいいように思われます。大手の業者もありますが、特定の地域でのみやっているような業者もあります。かかる費用は、業者によってまちまちで、大手は高め、地元密着型はお手頃かかなり割高、という印象が私にはします。何はともあれ、他人に評判を聞いたり、直接業者と話をしてみるのがいいと思います。
- 引っ越し手続き
引っ越し手続きについては、マニュアルがいくらでもあるので、それに従えばいいと思います。引っ越ししたことを伝えなければいけない機関等については以下のページに載っています。
https://www.quebec.ca/gouv/services-quebec/demenager/
https://www.protegez-vous.ca/maison/qui-prevenir-lors-dun-changement-dadresse
購読中の雑誌などがある場合、転居先を知らせても、郵便物が届いてしまうことがあります。郵便局に転居先への配達を依頼できますが、お金が結構かかります。詳しくは以下のページを参考にしてください。
https://www.canadapost.ca/cpc/fr/personal/receiving/manage-mail/mail-forwarding.page#price
電気・水道・電話については、きちんとしておくといいでしょう。それから、インターネット接続方法、テレビ視聴方法についても、いろいろ調べておくといいと思います。
ケベックでは、家を購入した場合、引っ越した年に、la taxe de bienvenu またはle droit de mutation immobilière ということで、引っ越し先の市町村に税金のようなものを納めなくてはなりません。税金関係はきちんと確認しておいたほうがいいでしょう。
4.引っ越し前
引っ越しの準備をなにから、いつ、始めるか、については、いろいろ言われます。以下に二つほど記事を載せます。参考までに…まずは、ケベックでは、段ボール箱探しから、ですよね。
https://ici.radio-canada.ca/nouvelle/613091/liste-reussir-demenagement
https://www.journaldemontreal.com/2018/05/28/stresses-par-votre-demenagement-avec-videotron
5.引っ越し後
引っ越し後は、家具・荷物の確認は早めに行ったほうがいいです。引っ越しを業者に頼んでいた場合、家具が壊れていたり、お皿などが割れていたりした場合にはどうするべきか、契約書を確認していたほうがいいと思います。
また、新しい住居の設備(火災報知機・アラーム・空気交換機・暖房機器など含む)の確認は早いうちにしたほうがいいと思います。コンセントが使えるかどうかなども確認したほうがいいと思います。
カーテン・照明器具などがついていない場合、そういうものの取り付けは、早いうちがいいでしょう。
家を借りた場合、まずは家の確認をきちんとして、うまく機能しないものについては、きちんと家主に報告したほうがいいと思います。また、改善してほしいことなどについても早いうちに伝えたほうが良いです。
家を借りた場合、床や壁などに傷があった場合又は何らかの傷が家にあった場合、証拠写真を撮っておくといいかもしれません。万が一、家主からそれについて話をされた場合、自分たちの引っ越し時には既にあったという証拠になります。
また、新しい住所を運転免許証などに反映してもらったほうがいいと思います。粗大ごみを捨てる場合など、その地域に住んでいることを証明する身分証明書が必要になる場合があります。
ざっと、書いてみましたが、書き足りないことがあるような気がします。お気づきのことがありましたら、コメント欄にお願いいたします。
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